クロネコを保護した時の話、前回の続きです。
黒猫のことが気になってあまり眠れず。
すると翌日、朝母親から電話が。
母親の犬友達の知り合いが個人でTNR活動されていてネコの捕獲器をたくさんもっているので貸してもらえるよという連絡が。
捕獲器があればなあと思っていたけれども当時周りに持っている人はいなくて。
渡りに船とはこの事!
コミュ障のわたし一人では無理なのでと母親に付いてきてもらい、早速借りに行くことに。
うちから徒歩10分かからないところにあるおうちで、サバサバとしたおばちゃんが「◯◯さんから聞いてるよー、捕まらなくても焦らず気にせず使ってー!」と言ってくださったのでありがたくお借りすることに。
その方も「幸せなネコが増えるならありがたいことだからねー!」と。
後日聞いたのですがその方は本当に何の利益も得ず、実費で捕獲器を買い揃え、呼ばれれば捕獲器持って行き、捕獲しては去勢避妊手術をして元の場所にリリースする、という活動を個人でされていて、なんという神様みたいな人がご近所におるのか…と震えました。
そして2~3日中にはお返ししますと言い捕獲器を借り、ネットで捕獲の情報も集め、いざクロネコ捕物帳!
においのキツい食べ物を吊るすといいとあったので鮭を焼いていきました。あとネコのオヤツ系の類を。捕獲器は食べ物を吊るすフックがあり、そこの食べ物に食いつくと入り口の扉が降りる仕組みです。
昼間は仕事だったので夕方、でっかい捕獲器を抱え、行き交う人に不審者の目で見られながら現場へ。
数時間の張り込み覚悟だったのでご近所の家に「家の前でじっとしてたりウロウロしたりしますけど」と挨拶を入れて。
その日母親は近所にごはん食べに行くので、とわたし一人で張り込みました。
黒猫は姿は見えるものの、あいかわらずのちょっと近づいては鳴いてアピールし、近寄ると逃げる、の繰り返しなので捕獲器に任せてわたしは少し離れたところから見ることに。
ずっと不思議だったけど、スズメ追いかけても捕まえられるわけなく、でもけっこう丸々しているので何でかな、って思ってたんですけど聞くところによると近くにパン屋さんがあって夜中に業者が回収しにくるのでゴミを店舗前に出すみたいなんですが、そこにパンの耳が入っているらしくそれを食べて飢えをしのいでいると。
なのでそこまでおなかはペコペコではないみたいで、食べ物で釣られてくれるのかはちょっと不安でした。
相方はこの日会社の忘年会で、一度帰宅して出かけたのでその時に温かいお茶を持ってきてもらいました。とりあえず温まりたくて。
ヒマだったのでこんな写真も残ってましたね…
が、数時間経っても黒猫はたまに姿を見せるけれどもすぐ隠れる。
張り込んでから3時間近く経ち、寒さと進展のなさに心折れかけて今日は諦めて帰ろうかな…と思っていたらごはん食べ終わって帰ってきた母親が「どうやー?まだ捕まらんかー?」と様子を見に来ました。
ああ、あいかわらずッス、こっち見て鳴くけど近寄ってくれんし捕獲器もめっちゃ警戒されてるッス、と報告したら母親がポケットから小さな包み紙を出しました。
中には母親が食べてた物を少し分けてきたという「あたりめ」(炙ったスルメ)。
焼いてきた鮭も冷めてしまってるし、あたりめに変えてみよう、と変えてくれました。
離れたところで母親と話していると5分もしないうちにガシャーン!と捕獲器の閉まる音が!
へ?へ?と驚きながらもそろーりと捕獲器に近寄ると……捕まってる!!!
とりあえずビビっていたので捕獲器の上から着ていた上着をかけて巻いて連れて帰る事に。
帰宅して空いてる部屋に直行し、部屋を閉め切り、やっとちゃんとご対面。
黒猫を撮り慣れてない人の、周りが白飛びしてるやつですね
ごはんをオススメしたらウニャウニャ言いながら食べる。
そして捕獲器を開けてみる。
なんと、あっさり甘える!(笑)
そしてここでオスだと判明。また男子かーーー!
この日、ごはんを食べに行く約束してたんだけど中止したので食べに行く約束してた人も来て、2人でピザ取って食べることに。
その間もなんとなく部屋でごはん食べてくつろいでいたので一安心。
相方も早く会いたくて二次会抜けて帰ってくる始末。
その日のInstagram
その日の夜中に甘えてきたので爪切りも駆虫薬もあっさりと済み。
そして翌日、かかりつけの病院に連れていく。待合室で待ってる間もヒザの上でふみふみして「ゆびチュパチュパさせてくれやー!」と甘える。
とりあえず、こんなに甘えたがっていた子が、人間を信用しちゃいけないって虚勢はってたのがかわいそうでかわいそうで…。
色んな検査もオールオッケー、時期見て他のネコと合わせてもいいよということだったので即合わせました。
そんなわけですんなりと、というか先住ネコたちがかしこく優しいのですぐに馴染みました。
めでたしめでたし。
と、いうのがクロネコとの馴れ初めであります。
今ではわが家のヤングリーダー、そしてものすごく甘えん坊で食いしん坊で。
動きがトリッキーでやることもおかしく、わたしは毎日笑わせてもらっています。
そして保護した翌日のSNSにはこんなことつぶやいてました。
「もう雨風凌げる寝床探さなくていいしおなか減ってスズメ追いかけなくてもいいよ。ブサイクでも毎日かわいいねってゆってもらえる生活を保証します。」
おしまい!