わが家の唯一の純血種、チンチラゴールデンのたぬぅを保護した時のおはなしです。
InstagramやTwitterをやっているとかわいいネコチャンがたくさん見られて大変によいですよね。
時は数年前よりいわゆる「猫ブーム」。
猫ブームという言葉は好きではありませんが、それによってしあわせになれるネコが増えることはよいことです。
が、しかしそんな甘いことばかりではないのが世の中です。
わが家は母親が動物好きで生まれた時からネコもイヌもいました。
わたしは正真正銘のナチュラルボーンネコスキーなのです。(イヌも好きですよ)
そして母親は捨て猫を拾っては父を説得するのに子供を利用していました。
「おとうちゃーん、ネコ拾ったしうちで飼ってもいい?」と子供に言わせる作戦。
なので動物をお金で買うという感覚はなくて「落ちてたのでうちくる?一緒に暮らしちゃう?」という考えです。
トラネコは友人宅で生まれた子を「この子がいい!」とうちに来てもらったのですがあとの子は保護猫です。
わたしはネコの性別も柄も自分で選ぶことはないし、それに不満もないしみんなかわいいし幸せです。
2008年あたりから画像投稿サイトで自分ちのネコをポチポチと載せて、そこでネコのお友達が増えて純血種と暮らしている方々とも知り合い、ああ、そんな方法もあるんだな、と思っています。
「ペットショップ」という形態は好きではないですけどそれも法改正がないと&今の状況では色々と難しい話で。
でもペットショップで「買った」人を否定するわけではないです(ここ重要)ということを頭の片隅に置いといていただいて。
前置きが長くなりましたがうちの「たぬぅ」は純血のチンチラゴールデンという種類のペルシャ猫らしいです。
捨て猫でした。
2015年の3月、習い事の帰りに夕飯の買い物を済ませてゆるやかな下り坂をごきげんにチャリで下っていました。
夕方の5時半くらいでした。
大きな道路に面した豪邸の前に6〜7人ほどの人だかりが見え、何かを取り囲むように立ち、中には警官もいました。
何か小競り合いとか事故かなーと思いつつ通り過ぎた時、その中の一人のおじさんが「うちいらんし持って帰ってや」と言いその人達が取り囲む足元に布製のペットキャリーが見えました。
…………。
「あーきたわこれ。犬か猫やん、絶対。聞かんと後々後悔するやつや絶対。」と思って、数メートル離れてしまいましたがキュッとブレーキをかけて、自転車降りるのめんどくさくて地面蹴ってバックして人だかりを覗き込むと人だかりがこちらを見ました。
警察の人に「それ中身何ですか?」と聞きました。
警官は「猫です。」と言うので心のなかで「わー、ほんとにキタコレ。」と思ったけどもう後に引けない。
これでそうですかーと帰れる人間ではないのでもうこの時すでに心は決まっていました。
その日は3月半ばだったんだけどすごく暖かい日で、少し動けば汗をかくような陽気でした。
豪邸2軒並んでいて、そこの2軒の方たちいわく「お昼くらいからあった」と。
そして落とし物かと思って(中身は猫だとご存知でした)自分ちの敷地にあるのが嫌でちょっと外して道路側の側溝の上に置いておいたと。(もうここでファー!てなってたけど抑えた)
そしてお隣のおばさんは「昼に犬の散歩行った時にはもういたわー」とか言ってて。
はぁ?こんな日に水もなく半日外に?死ぬやん。イヌ飼ってんなら水とかごはんとか気にせんのかいクs(自粛)と思ってキャリーごと抱き上げて中を覗くとグレーっぽい大人のネコが見えました。
目が合ったけれどもニャーと鳴くわけでもシャーと威嚇するわけでもなく(絶対威嚇されると思ってた)しょんぼりしていました。
でも小さいキャリーにぎゅう詰めにされ、もう日も暮れかかってて薄暗くてよく見えず「中身はネコ」ということしかわかりません。
以下、やりとり。
わたし、警官、捨てられていた家のおじさん です。
「この子、警察でもって帰ってどうするんですか?」
「本署にそういう場所があってエサとかもあるんで、預かって飼い主が出て来るの待ちます」
「飼い主現れなかったらどうするんですか?」
「保健所ですねぇ…」
「じゃあ、今連れてって、飼い主が預かり期限までに現れなかったらわたし迎えに行くんで連絡くれます?」
「それはできないですねー、保健所に行ってください」
「あ、それダメだわ。んじゃあわたしこのまま持って帰ります。」
「それはできません。通報した方が拾った方なのであなたは持って帰れません。」
(通報されて拾い主がいて警察が動いてしまったらああそうですかーとは帰れんらしい)
「でもおじさんいらんゆうてるやん…。」
「わしいらんし、おねえちゃんが拾ったことにして」
「じゃあ、そのまま連れて帰ることはできないのであなたが派出所に拾い主として届け出してもらえますか?」
「いいけど。警察さん原付ですけどネコどうやって持ってくの。」
「あ、メットイン入らないし足元置いていきますわ。」
「(アホちゃうか)ベルトついてるんで、斜めがけにしてヒザの上に置いていってもらえますか?」
「警察の規則で原付で物を担ぐことはうんたらかんたら」
「モノじゃないんで、そこはちょっとお願いしますわ…わたしネコやったら嫌やわそんなん…おたくがそんな扱いされたら…?」
「(多分自分もネコ本署に持ってくとかじゃまくさかったんか)わかりました」
「チャリで追っかけて派出所行きますんで。」
「おねえちゃん、買い物の荷物置いていき!預かっといてあげるわ!(ここぞとばかりにいい人風)」
そしてわたしはいい人気取りのおじさんに買い物袋を預けて派出所へ向かうことに。
長くなったのでつづきはまた次回。
おかあちゃんのはなしは ながいな
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